映画大好きザウルスくん

ターゲット・ブルーの映画大好きザウルスくんのレビュー・感想・評価

ターゲット・ブルー(1994年製作の映画)
3.5
凄腕ボディガードのジェット・リーは殺人事件の目撃者であるヒロインを警護するうちに反目し合いながらも次第に恋仲になっていく…という何の撚りもなく『ボディガード』を丸パクリした作品(公開も本家の2年後)。しかし、アクション面においてはジェットリー型ガンアクションの形が出来上がった、そんな作品とも言えるかもしれません。

『ジョン・ウィック』における「ガン・フー」アクションとは違って格闘しながら銃撃戦もこなすというより、銃を抜くスピードと向けるスピードの速さをジェット級にすることによってジェットリーにしかできないガンアクションに仕上げている、これが非常に素晴らしいのです!ただ射撃が上手いということではなく、撃つまでの間に繰り出される身体能力の高さを活かした体捌きが見事で、カンフー映画において手足を高速で動かすあのスピード感がちゃんと銃撃戦に落とし込まれているという点において、本作でジェットリーが見せた戦闘スタイルこそ真の「ガン・フー」アクションだったのではないか、そう思ってしまうくらいです(『ジョン・ウィック』はカンフーというより柔道や柔術寄りなので)。

アクションの展開的にも冒頭で普段のプロフェッショナルな仕事ぶりを見せて、中盤にはショッピングモールでの大銃撃戦を敢行、最後はヒロインの家にて殺し屋軍団との暗闇での銃撃戦&ラスボスとの本格カンフーバトル、という風に場所を変え状況を変え次々と新しい絵面が出てくるので観ている観客を飽きません。特にショッピングモールで見せたヒロインの身体を次々に銃弾から避けさせていく動きは、カンフー名物である「その場の物を使った華麗な動き」の発展技に見えてとても興味深かったです。ラストの家での戦闘も暗闇と光を利用した攻撃やガスを充満させてからの水を巡る攻防戦など、細かいところまでちゃんと工夫が施されていました🙌

ヒロインとの恋愛描写もきちんと押さえられているし、味方の警官たちと徐々に友情が芽生えていく辺りも感情移入しやすいし、全体的に出来のいい作品だったと思います✨