みおこし

ターゲット・ブルーのみおこしのレビュー・感想・評価

ターゲット・ブルー(1994年製作の映画)
4.5
最近香港映画熱がまた上がってきたので、個人的殿堂入りの『少林サッカー』と双璧をなす一本をオススメします!知る人ぞ知る、ジェット・リーの香港時代の傑作です。

大手企業の御曹司の恋人であるミシェルは、たまたま殺人現場を目撃してしまい暗殺組織に追われることに。寡黙な凄腕ボディガード・チンヨウは、彼女の護衛として働くことになるが...。もうお気づきだと思いますが、完全なる香港版『ボディガード』です。しかし、個人的には本家より好きです...!

現代劇に主演すること自体珍しかったリンチェイですが、本作のチンヨウはハマリ役。もう絶対に彼以外のキャスティングが考えられません。
作中通して、ほぼ笑顔を見せないチンヨウ。笑顔どころか、感情をむき出しにすることもなくひたすらだんまり、というお堅すぎるボディガード。しかし一度敵が現れたら、表情一つ変えずに敵を蹴散らす!!なにこれ、超カッコいい!!童顔なのに超セクシー!!こんなリンチェイ観たことない!(笑)ガンファイトとカンフーを駆使して、しれっとミシェルを守り抜くチンヨウには男性でも女性でも絶対惚れ惚れします。
一方のミシェルは小悪魔的要素たっぷりのセクシーおねーさん。ワガママを言ってチンヨウを翻弄しますが、華麗にスルーされる(笑)。モテモテだった彼女だからこそ、そんな冷たいチンヨウに逆に心惹かれてしまうわけです。クリスティー・チョンはまさに絶世の美女、小悪魔役でも可愛いから許せちゃう。

ハリウッド版『ボディーガード』は、結構簡単にケビン・コスナー様の牙城が崩されてしまうんですが(笑)こちらは全然その気配ナシ。
だからこそ、女性ファンはたまらない。私も本作でまんまと罠にハマり、観終わる頃にはリンチェイに恋していました。今まで観た映画の中で間違いなくダントツに胸キュンした作品。まさかのアクション映画なのに、恋愛要素の描き方が神がかっている!!
肝となる「窓際のチンヨウ、ブラインドを下げる」のシーンは香港映画史上、いや、世界の映画史上に残る超絶胸キュンシーンで、あのシーンで崩れ落ちない女性はいないと思うのでご期待ください(笑)。私は通算100回はこのシーンをヘビロテしました。

アクション映画としても、コリー・ユン監督の手腕が光っていて、スーパーマーケットやキッチンでの戦闘シーンは見応えたっぷり。そこら中に暗殺者が出てきて、敵多すぎるよ!とややツッコミもありますが(笑)。悪役のコリン・チュウがかなり強い悪役なので、2人の対決があるだけでも男性は必ず楽しめるはず!

そしてラストへの展開は、ハリウッド版『ボディーガード』とは一味違います。私はこのエンディングこそベストと思ってます。このラストはハリウッドには真似できない...!多くを語らない、「寡黙な」アジア映画だからこそ成せる技。本作のエンディングで胸キュンするたび、自分は生粋のアジア人だなと痛感します...(笑)。サントラもいいんだよなぁ...。主題歌の『不要躲避我的眼睛』聴くたびに泣きそうになる。

リンチェイファンはもちろん、全ての香港カンフー映画ファンと、恋愛映画ファンに捧げる一本。隠れた名作です!
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