浜一

007/消されたライセンスの浜一のレビュー・感想・評価

007/消されたライセンス(1989年製作の映画)
3.8
この映画の公開年は1989年。当時の世界はソビエト連邦崩壊、ベルリンの壁の崩壊、天安門事件と社会主義国の相次ぐ崩壊や揺らぎがあった時代。スパイ映画である事から007シリーズはシリーズ開始以来、東西冷戦という世界の対立構図を背景にして描かれてきた。その構図が実際の世界で消え始めた時代に「ボンドの敵」をどう設定するのかが難しくなってしまった。
そこでこの作品なのだろう。
敵は南米の巨大麻薬シンジケートを牛耳るボス。そいつを追う理由づけとして、親友フェリックス・ライターの復讐が設定された。007が英国諜報部員の殺しの資格「ダブルオー」を捨てる漢一匹、ジェームス・ボンドの復讐譚。
アクションはロジャー・ムーア時代の荒唐無稽さから一転、ハードな物に。それがティモシー・ダルトンに良く似合う。
見返してみると以外に面白い作品でした。
浜一

浜一