せーや

007/消されたライセンスのせーやのレビュー・感想・評価

007/消されたライセンス(1989年製作の映画)
3.7
「理由(ワケ)を教えてやろう」

007を全部観ちゃおうのコーナー!
第16作目は「消されたライセンス」!

親友であるCIAのフィリックスの結婚式へ向かう途中
DEAから麻薬王サンチェスを発見したとの連絡が入る。
ボンドとフィリックスは結婚式を中断し、逮捕に向かう。

ダルトンボンド、最後の作品。

前作もかなり硬派でしたが
今作はそれ以上に硬派。
おそらくシリーズ史上、最も硬派。

007を長年に渡りサポートしてきた
CIAのフィリックス・ライターが
麻薬王サンチェスによって重傷を負う。
ボンドは親友の復讐のため、00の称号を失ってまで
サンチェスを捕らえることを決意する。

①ボンドが感情で動く
 「殺しのライセンス」を与えられたものは
 決して私情で、そのライセンスを使ってはいけない。
 そんなボンドだったが、「復讐」のために使ってしまう。
 今までのボンドは「仕事」としての殺しが殆どだったので
 ホントのトコを言うと、何考えてるかわからなかったんですが
 今回のボンドは、完全に「感情任せ」なので
 1人の人間としてのボンドを見ることができます。

②ボンドが失敗する
 仕事はスピーディに解決してきたボンドですが
 今回のボンドは感情任せのため、失敗が続きます。
 サンチェスを追う他の組織の邪魔をしてしまったり
 軽率なミスが目立ちます。

③殺し方がエグい
 ボンドは今まで、スピーディな殺し方をしてきました。
 しかし「復讐」のためか、殺す相手に対し
 かなり苛立ちが入っているように思えます。
 もちろんサンチェス側の方が殺し方はエグいんですが
 今作はその影響もあって、シリアスが度を越しています。

④ボンドガールと戯れない
 ボンドガールはボンドと戯れるのがお約束の007。
 しかし今作では、全く戯れる気配がない。
 そもそも裸NGのダルトンなので、それもあるんですが
 ボンドガールというよりは、相棒になっていました。

⑤仲間がいる
 00の称号を剥奪されたボンドですが
 やはり、長年築き上げてきた信頼関係。
 MI6の面々は、しっかりと彼をサポートします。
 特に今回はQの活躍が目立つ!
 ボンドを心配してわざわざ休暇でやってくるなんて…
 かわいいなぁ、Q。

⑥派手なアクション
 冒頭から派手なアクションが目立ちますが
 特にラストのタンクローリーのカーチェイスは素晴らしい。
 サンチェス側もかなり攻撃的なので
 白熱したアクションシーンを楽しめます。

⑦セリフが粋
 サンチェスも結構オシャレなセリフを吐きますが
 今回はボンドのセリフが光ります。
 特に「理由を教えてやろう」は最高。


かなり内容の濃い本作。

キャストとしても
M,マネーペニー,ボンドは今作がラスト。
みんな、慣れる前に終わっちゃったなぁ。

冷戦期最後の007ということ
キャストはQ以外みんなラスト
古き007は今作がラストといったところ。
この少し古臭い感じを味わえるのも最後か。

ありがとうダルトンボンド!
さようならダルトンボンド!
結局最後まで馴染めなかったよダルトンボンド!←
せーや

せーや