しゅうへい

銀河鉄道999のしゅうへいのネタバレレビュー・内容・結末

銀河鉄道999(1979年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

機械化した富裕層が生身の体の貧困層を迫害している未来の地球。機械伯爵に母親を殺された少年・星野鉄郎は母親の仇打ちを誓い、機械の体をタダでくれるアンドロメダ星に行くことを夢見ていた。そんなある日、鉄郎は超特急列車銀河鉄道のパスをくれる美女メーテルに出会い、999号に乗車する。

「私はあなたの思い出の中にだけいる女」
「私はあなたの少年の日の心の中にいた青春の幻影」

原作との変更点をあげればキリがないが、第一に青春映画にしたいという製作陣の意図で主人公の鉄郎の年齢が10歳から15歳へと5歳引き上げられ、漫画版・TVアニメ版に比べ鉄郎の顔が男前になっている。それを踏まえても哲郎が顔の作画が安定しないのは何か意図があるのかと考えてしまう。表情の豊かさというより時折明らかに若返っている瞬間があった。

同作者の別作品に登場するハーロックやエメラルダスが物語に直接関わるとは思ってなかった。同じ世界線で生きていた宇宙海賊の2人はファンサービス的な立ち位置かと思いきや…。2人にとって大切な存在である人物の最期の願いを叶えた哲郎、彼に恩義を感じて援軍として彼を救ってくれたのは熱い展開。

TVアニメ版とは違う感動。2時間の尺の中で出会いから別れまで描くのは詰め込み過ぎ。哲郎とメーテルの関係性があまりに希薄で別れのシーンに情が湧かないと思っていた。地球を去るメーテルを背に前に進む哲郎、エンドロールで流れるゴダイゴ「銀河鉄道999」を聴くと気付けば涙腺が緩んでいた。この別れのシーン収録の際に哲郎役の野沢雅子さんが感極まって泣いたというエピソードを聞いて貰い泣きした。
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