湯っ子

銀河鉄道999の湯っ子のレビュー・感想・評価

銀河鉄道999(1979年製作の映画)
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追悼・松本零士先生。

これを観るのはもう何回めになるのかな。劇場にこそ行ったことはないけど、テレビ放映してるとなんとなく見始めて、気がつくと毎回夢中になっちゃう。
子供の頃は、鉄郎と一緒に広大な宇宙の海に挑み、漂流する気持ちを味わった。
数年前に観た時は、この壮大な物語にあらわれる全てのものや人物が、鉄郎という少年が大人になるために必要な要素だと感じた。広大な宇宙への旅は、深遠な内的宇宙の旅とイコールだと。

今回の鑑賞で思ったこと。
「大義のために戦う男の美学」「戦う男を自らを犠牲にしてでも支える女」という価値観が大きな柱になっている。それはやはり、松本氏が戦中派であるからなのかもしれないと思った。
でも、だからこそ、母のような優しさと底知れない謎を併せ持つメーテルの存在は褪せない輝きを持つ。メーテルは「女」そのものだと感じる。
マッチョな価値観に貫かれた作品ではあるが、小道具ではない女もきちんと描かれているから、この物語は今でも新鮮に映るのだと思う。

メーテルの別れのセリフからゴダイゴのEDの流れが最高すぎる。機械の体は永遠の命、とかいうわりに意外とカンタンに死ぬよねっつーのは言いっこなしよ(言ってる)。

子供の頃から長い付き合いの映画なので、採点不能。
ご冥福をお祈りします。
湯っ子

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