ヤンデル

フィッシャー・キングのヤンデルのレビュー・感想・評価

フィッシャー・キング(1991年製作の映画)
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・「フィッシャーキング」はアーサー王伝説に登場する漁夫王がベースとなっており、劇中でも聖杯(ホーリーグレイル)で王を助けることで自らも救われるというテーマが語られている。

・テリーギリアムの監督デビューである「モンティ・パイソンアンドホーリーグレイル」からもわかるように、アーサー王、聖杯は監督が取り上げ続けているテーマ。

・テリーギリアム作品では、夢や幻想を信じていた主人公が最後には現実に敗れるストーリーも多いが、本作では、妻を殺されたポリーが生きていくために騎士道の妄想を得たことが明確に示されており、最後は妄想から覚めるのではなく、主人公と夢を共有することで生きていくラストとなっている。主人公はただのクリスマスプレゼントであるカップを聖杯として獲得し、ポリーと共有することで目覚めさせる。つまり、個人では妄想とされるものも、信じる人がそばにいれば彼らの中では現実になり、それが救いになっている。
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