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フィッシャー・キングのボロロボのレビュー・感想・評価

フィッシャー・キング(1991年製作の映画)
4.0
【午前十時の映画祭】にて鑑賞。字幕版。
最終日駆け込みで鑑賞できて良かった。

作品そのものの存在は知っていて、ジェフ・ブリッジスと故ロビン・ウィリアムズの共演というのは知っていたけど、それ以外はほぼ予備知識ゼロ。
まず監督がテリー・ギリアムだったことに驚く。
序盤にチョイ役で登場するキャシー・ナジミーにもビックリ。
中盤で主人公ジャックと会話する車椅子の人、「あれっ? すげえ似てる人」と思っていたらやっぱりトム・ウェイツだったし(ノン・クレジットでの出演らしい😮)。

主人公の一人、ジャックを演じるのは盤石のジェフ・ブリッジス。
もう一人の主人公:パリーを恐ろしいくらいに演じ切っていたロビン・ウィリアムズ。まあ、スゲエ。
けど、一番存在感があったのは、ジャックの恋人:アンを演じたマーセデス・ルールだ。色艶もあり、はっきりと物を言う姐御肌でありながら芯はとても忍耐強くしおらしい女性を完ぺきに演じていた。オスカー助演女優賞受賞も納得。主に舞台でキャリアを重ねていた女優さんらしい。

オハナシは、アーサー王物語に登場する漁夫王(=フィッシャー・キング)のエピソードを下敷きにニューヨークを舞台にした現代寓話。そんなわけで当作でも最終的には聖杯を巡る展開に。

「テリー・ギリアムが監督することになったのは聖杯繋がりなのかなあ」などと、モンティ・パイソン好きなジジイは妄想してしまう😁

序盤だけは「らしくないなあ」と思っていたけど、その後あちこちの画作りにてテリー・ギリアムらしさが感じられて安心。

《炎の騎士》の演出、メタファー。

ジャックは、良い人成分とクソ野郎成分の両方を併せ持つある意味とても人間らしいキャラクター。終盤、ぶん殴りたくなったり呆れたりする展開はあれど、そういうブレ具合も含めて《迷える子羊》であり《騎士》でもあり《The One》なのだろう。

ラストは、違うオチを用意していたかも?

いやもうとにかく、アンはマリア様だ。
惚れた😍

個人的にとても印象に残ったシーン。
閉店間際まで続いていた4人の会食を捉えるカメラがゆっくりと引いていくと、中華料理店のスタッフが後片付けをしながら彼らを暖かく見守っている様子が映り込むところ。
決してお行儀良いとは言えない食事だったけど、そこには優しさと楽しさが両立していた。幼児性の純真さ。
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