はぐれ

雨のなかの女のはぐれのレビュー・感想・評価

雨のなかの女(1969年製作の映画)
3.4
フランシス・フォード・コッポラ監督作。アステアを主演に迎えた『フィニアンの虹』とあの『ゴッドファーザー』の間に制作された作品。

作風はバリバリのヌーヴェルヴァーグでありアメリカンニューシネマ。当時流行っていた荒い編集のフラッシュバックの回想シーンがこれでもかと多用されている。コッポラにもこんな拗らせていた時期があったんだという新鮮な驚き。

ストーリーはマタニティーブルーになった主人公が夫から逃れて西を目指すというありきたりなロードムービー。
しかしこれがハリウッドシステムに嫌気がさしてヌーヴェルヴァーグのマネごとに没頭していた当時のコッポラの姿と見事に重なっていて面白い。
ちなみにコッポラ自身はこの後に途轍もなく巨大な三つ子であるゴッドファーザートリロジーをその嫌気が差したハリウッドで撮らなくてはいけないという宿命が待ち構えているという事実もまた数奇で面白い。

次作で無鉄砲の代名詞であるソニー役を演じるジェームズ・カーンがその弟であるマイケルよりもうぶで純粋な役柄を今作で演じているのがなんとも可笑しい。
どこに行っても1000ドルの現ナマを見せびらかすアメフト男がムカつく(笑)
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