脱皮の殻

乱歩地獄の脱皮の殻のレビュー・感想・評価

乱歩地獄(2005年製作の映画)
2.9
作家 江戸川乱歩の短編中編小説4作品を映像化したオムニバス映画。

「火星の運河」
どんな話か説明不可。
とにかく冒頭のクレジットのワクワク感が個人的には良かったです。
浅野忠信さんの躍動感のあるロン毛が映えてました。
なかなかショッキングな映像ではありましたが、最初からアクセル全開で異様さを発揮してる感じに好感が持てました。

「鏡地獄」
鏡を使用していた人が謎の死を遂げる事件に明智小五郎が挑むお話。
4作品の中では1番正統派なミステリーかもしれません。
エロティックと気味悪さが相まって不思議な雰囲気はありましたが、しっかりしたミステリーになっていました。
鏡を使った描写がなんかキレイで良かったです。
成宮寛貴さんってこんな役もやってたんだという驚きと中村倫也さんって名前変えてたんだという驚きがありました。

「芋虫」
四肢を失った軍神とそれを看病する奥さんのお話。
(上手く説明できない🤣)
今作も2作品目と同様なエロティックと気味悪さがありましたが、こちらはギアを1段上げてきた印象。
派手な暴力描写はないけれど、静かでねっとりした暴力描写にゾワッと来ました😨
大森南朋さんの演技がとても良かったです。

「蟲」
嫌なことがあると身体に異常な痒みが出てしまう運転手が、いつも車に乗せる女優に恋をするお話(ちょい違うかも🤣)。
運転手の行動に至るまでの哲学が、素晴らしく狂気的で思わず笑っちゃうほどでした。
運転手が作り出した気味悪いけど美しい空間に楽園なるものを感じ、思わず魅力的だと思ってしまいました。

全体を通して、色々な歪んだ愛の形というものが垣間見れたように感じました。
やや異常に感じる部分はあるが、完全には否定しきれない所に恐らく好意という感情の起源は一緒で、そこから行動に移すまでがたぶん違うのかなと思いました。

気味悪いものが観たい人や自分が抱いている愛の形を確認したい人に見て欲しいと思った映画でした。

浅野忠信さん、狂気との相性が良い~😆😆😆
どの浅野忠信さんも良かった~🤩🤩🤩

長々とすみません。
脱皮の殻

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