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悪魔の手毬唄のcamusonのレビュー・感想・評価

悪魔の手毬唄(1977年製作の映画)
4.7
子供の頃テレビで何回か見ています。
DVDを借りるのも2回目です。
原作小説は未読です。

幼少期の強烈なトラウマという意味では、
犬神家のスケキヨサンにはかなわないものの、
本作の半身赤あざの里子サン、顔黒焦げの恩田サン、
ならびに、そのおぞましい血しぶきは、
充分心に焼き付いております。


静謐ながら何かの意思や存在をも感じさせる奥山の森林、
外界から閉ざされがちな地に細々と伝承される手毬唄の調べ、
手毬唄を題材にした見立て殺人の異様なビジュアル、
時の流れに翻弄される人の生活と情、複雑な人間関係、
二十年前と現在の殺人トリックの重ね合わせの妙、
効果的に配置された笑い、などなど、
様々な要素がバランスよく絡み合っていて、浮いてる要素がないため、
創作世界としてのリアリティが得られており、
多少ムリなところがあっても押し切れていると感じます。
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