おくちん

悪魔の手毬唄のおくちんのレビュー・感想・評価

悪魔の手毬唄(1977年製作の映画)
3.7
何度も繰り返し観ている作品。石坂金田一の第二作。なんと言っても最後の磯川警部との別れのシーンと冒頭の再会のシーンが好きです。磯川警部の人の良さと金田一との友情を感じさせ、金田一への信頼が伝わります。そしていつも考えさせられるのは、犯人はなぜ殺人を犯さなければならなかったのか。今回の事件は息子の為でしたが、源次郎への愛憎に囚われ、苦しみ、断ち切りたかったのか。リカの一見、朗らかで美しい姿の中にこんなにも燃える心があり、強い攻撃性があることに驚かれます。人の心はわからない。時代を考えると、夫の裏切り、一人親、娘への差別。狭いコミュニティの中で生きづらさを抱え、耐えてきた辛さ、息子と娘には辛い思いをさせたくない強い母の思いがあったのかもしれないと思いました。石坂さんの金田一、市川映画の金田一が子どもの頃から大好きです。