taka

修道女のtakaのレビュー・感想・評価

修道女(1966年製作の映画)
4.0
前置き長っ笑

冒頭テロップ、今作は小説が元で史実ではなく実情と捉えるのは危険
修道院はお金がものを言い必ずしも信仰心ありきではなかったが、強制的に入院させても良いことなどなく最終的に神の怒りを買うという趣旨の言葉がズラリと並ぶ

で、最後まで観てこれらが大事な忠告だったことが分かるし、終映後の一文もズバリと突いてくる


経済的に子を持て余した親により強制的に修道院に入れられたシュザンヌ(アンナカリーナ)
見捨てられた形となった彼女は絶望の中にあっても馴染む努力はしていたのだが・・

修道院長が代わり彼女が目をつけられ、反撥を強めるに従い閉鎖的集団行動の弊害が顕著になっていく
陰湿な仕打ちに強固に対峙するも"悪魔憑き"と罵られ食事も与えられず気力も体力も限界に
そんな状態でも縋るのはやっぱり"神"というのがなんとも皮肉
彼女は修道院の前にも修練女として経験を積んでいたので信仰が染み付いていた


今作は大きく2つに分けられる
後半は一見華やかだが、我が物顔の修道院長(彼女の色んな葛藤も見どころw)と相変わらず頑固で真面目で正直なシュザンヌ
そこに神父という"男"の目線も入り気が抜けない


彼女には幾つも選択肢があったと思う
信仰をポーズとしてやり過ごすことは出来なかったか

規則正しい閉鎖空間が適応力のキャパを超えていたのでそもそも無理なのだけど、まともな院長によるまともな運営だったら彼女の能力は充分発揮されていたことだろう

シュザンヌにとってとても生きづらかった時代
彼女と"宗教"が出会っていなかったらと想像しないでもない


アンナカリーナは終始美しく、痩せ細り髪を振り乱す極限状態の彼女ですら絵になっていた

ジャックリヴェットの初期作品
やはり少々長いが画的魅力で最後まで飽きさせない
先日観た「ベネデッタ」とは似ているけれど全く対局の話でもありました
こっちは直接的な描写は無く、向こうはエロ全開という点もw
taka

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