ハレンチ学園在学生

サクリファイスのハレンチ学園在学生のネタバレレビュー・内容・結末

サクリファイス(1986年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

公開時に世紀末を迎えようとしていたこと、ソ連の解体が数年後に控えていたこと、そしてこれがタルコフスキーの遺作になってしまったことを考えると他の作品と比べてとりわけ終末観があらわになるのもやむを得ないと思う。解釈は二つ。1全てはアレクサンデルの妄想と考えるか、2画面のとおりアレクサンデルが家政婦のマリア(良い魔女と郵便配達員のオットーが語る)と寝ることで自らは狂気のうちに沈み世界の滅亡は救われたと見るか。初見時には1と判断したが今回30年ぶりに見返してみて2ではないかと思い直した(なぜオットーが「良い魔女」と知っていたかは不明だが)。初老の男が若い家政婦と「やりたい」だけの願望と一蹴されそうな「奇跡」だが、1だと世界を(主に息子を)救う契機に欠けてしまうのではないかと考えたのだ。答えなど出ないのだが。タルコフスキーはどこで尺八奏者の海童道祖を知ったのだろう。