矢吹

ストライキの矢吹のレビュー・感想・評価

ストライキ(1925年製作の映画)
4.1
忘れるな!労働者達よ!
「労働者の肉体の上には生々しい傷跡が刻まれた」
支配階級による労働者階級への虐殺と弾圧。

「工場は見たところは平静である」
要するに裏では何かが起きている。

女、子供、牛に容赦ないエイゼンシュテンイン。長編第一作。映画界に革命を起こしたって誰かが言ってた。

ほとんどが写真的、絵画的なフレームのくせに画面が激しすぎる。
一枚一枚のカットにおいてフレームの外から中から物語が動き回る。アクション映画です。テンポも最高。
セリフはなしのインタータイトルオンリーやけど、BGMとしてのオーケストラはずっとかかってるから普通の現代映画よりもなんならうるさいし、やっぱり迫力がすごいんですね。
フィルム映画のパワーを見せつけられた。

100年近く前に作られたものがこんなにも面白い。やはり映画は今と昔とどっちが優れてるとかで比較するものではない。どちらも映画表現の1つにすぎなくて、面白いものはいくらでも面白くなるな。映画はすげえ。

作品を通して非常に対比的な感じ。
牛のシーンは言わずもがな。
固く絞ればまだ出る。とか。選曲とか。荒ぶる大人たちと巻き込まれるだけの何も知らない子供達とか。
最後の最後にカメラを動かして死体の山をみせる。支配者側を挟むモンタージュ。とか。
無茶苦茶オブ無茶苦茶な権威側の弾圧。とか。そのくせにスパイのシーンと桶の墓場のシーンとかは遊び心も満載であったりする。
矢吹

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