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ブルー・ジーンズのROYのレビュー・感想・評価

ブルー・ジーンズ(1958年製作の映画)
3.8
ジャック・ロジエの短編

南仏、海辺、水着の美女……ロジエの愛する世界が凝縮した出世作。

ベスパとTシャツさえあればいい

シネマテーク・フランセーズの配信サイト「Henri」にて鑑賞

https://www.cinematheque.fr/henri/film/67927-blue-jeans-jacques-rozier-1957/

砂浜ナイトクラブで踊ろう

■NOTES
カンヌでルネとダニーがベスパで女の子を追いかける。

A17とシネマテーク・フランセーズにより修復された作品。4Kデジタル化と2K修復作業は、Audiovisual and Cinematographic Archives of Monaco、シネマテーク・スイス、Gnidzaz Martigues Cinematheque、シネマテーク・トゥールーズ、Extérieur nuitと共同で、HiventyでCNCの支援のもと画像と音声ネガから実施されたものである。

ジャン=リュック・ゴダールは、ジャック・ロジエのこの2作目について「アルチュール・ランボーが語った20歳の身体のように、新鮮で若く美しい短編映画だ」と書いている。そして実際、『感情教育』での夏の出来事とコート・ダジュールのドキュメンタリーの中間に位置する『ブルー・ジーンズ』は、凝縮された爽やかな陽光をもたらす。30歳の映画監督ロジエは、気ままな生活についての大論文を描いている。『アデュー・フィリピーヌ』のヒロインたちが後に実践するような、漂流による喜びを提示するのだ。カンヌのクロワゼット通りやアンティーブ通りでの長いトラッキングショットを通して、カメラはダニーとルネ、衝動に導かれた2人の少年を優雅に追いかける。動くものなら何でも追いかける。彼らの美しさは、欲望に満ち溢れているのと同様に、不幸であることに比例しているのだ。この歳になり、お金がないと女の子を口説けないということを学ぶ。だから、この映画とキューバ音楽には、メランコリーな影が漂っている。2人の仲間は、結論が出ないことに落胆しているのである。しかし、この映画は、音楽のカプリチオのような名人芸と軽快さも備えていなければ、このジャンルの傑作とはいえないだろう。恋の幻想は、いちゃつく技術とは無縁なのである。そして、そのためには、ベスパとTシャツがあれば十分なのだ。それ以外の人は、いくらでも時間がある。

Gabriela Trujillo
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