吉良吉影

セント・オブ・ウーマン/夢の香りの吉良吉影のネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

一見気難しく傲慢にも見えるフランクだが、チャーリーが心を通わせるほど人間らしさに溢れていた。軍人が心を鬼にするのも、戦争において感情を無くすことで余計な邪念が入らずに残酷になることができる。冷酷無慈悲な教官や軍曹が誕生するのも自分の中でこのように解釈している。その上フランクは盲目になってしまい、感情が形成しづらい境遇の上に尚更生きる意味を見失っていたのかもしれない。このような過程でチャーリーと過ごすことは、自分を思いやる人がいることの再認識に繋がり、人情の再獲得ができたのだろう。こうして最後の姪っ子一家の子供達と仲良く家に入る様子はグッときた。
フランクの自殺しようとするシーンはかなり緊張した。2人のやりとりが印象に残り、盲目の悲惨さが感じられた。
ロードムービー的な映画は好きで、旅行の擬似体験ができるからだ。この作品ではニューヨークの街並みを堪能できた。

何気にアル・パチーノの作品はあまり見てこなかった。盲目という難しい演技を巧みにこなし、その上であの迫力を作り上げるのは凄い。

「そろそろ『ゴッドファーザー』に手をつけるべきか、、」
吉良吉影

吉良吉影