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青い鳥のEDDIEのレビュー・感想・評価

青い鳥(2008年製作の映画)
3.3
日本のいじめ問題に警鐘を鳴らす。臨時で赴任してきた吃音の教師と自殺未遂が起きた中学2年生の交流。胸に秘めた罪悪感は黙ったままでは何も解決しない。淡々と進行するストーリーは退屈だが、今をときめく中堅俳優の若手時代を楽しめるのはポイント。

〈ポイント〉
・いじめに対する罪の意識の解決手段としてはなかなか面白いアプローチ
・吃音を演じる阿部寛はよく演じているが、教師姿を見ると『ドラゴン桜』が頭をチラつく
・本作の真の主人公は本郷奏多
・リーダー格の役を演じた仲野太賀は存在感を示す
・個人的には高田里穂や新木優子の若手時代を見れたことが大きな収穫

〈雑感〉
まもなく中西健二監督最新作『大河への道』が公開予定。
中西監督作品は全く通ってきてないのですが、『大河への道』は伊能忠敬が日本地図を完成させてなかったら…っていうあらすじに興味を惹かれて、せっかくならば過去作を観ておこうと。

本作は東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門出品作品であり、毎日映画コンクールでは阿部寛が男優主演賞を受賞。
中西監督の代表作と言ってよい作品でしょう。

あらすじとしては、前学期にいじめがきっかけで自殺未遂事件が起きた中学校が舞台。
新学期を迎え、臨時教師として赴任してきた阿部寛演じる村内が、問題のクラスの担任に就くところから始まります。
極度の吃音で会話することもままならない村内ですが、言葉には本気で向き合うということを大切にしている信条。
さらにいじめ問題を機に転校した野口の机を用意し、毎朝「野口くんおはよう」と挨拶する村内。生徒たちには厄介に思われながらも、いじめを起こした生徒たちと本気で向き合っていく様子が描かれます。

いじめを受けた生徒が転校したとて、問題を野放しにしておくと、もしかすると再び同じようなことが起きるかもしれない。
だから、村内は彼らにきちんと問題に向き合うように、生徒たちと真っ正面から向き合っていくわけです。

いじめに対するアプローチの方法としてはとても良かった一方で、映画として観ると単調に進むストーリーでやや退屈に。撮影なども決して特徴があるわけでもなく、なんとなく眺めているってだけの感覚でした。

ただ収穫としては2008年公開の映画ということで、いま一線で活躍する仲野太賀や新木優子、本郷奏多、あと個人的に推してる高田里穂の若かりし頃が見られたのは良かったですね。

〈キャスト〉
村内先生(阿部寛)
園部真一(本郷奏多)
井上武志(仲野太賀)
島崎先生(伊藤歩)
梅田光太郎(鈴木達也)
早川由香(荒井萌)
高木沙枝(篠原愛実)
千葉麗佳(高田里穂)
野口哲也(山崎和也)
片山舞(新木優子)
石野先生(井上肇)
宮崎先生(重松収)
小泉先生(岸博之)

※2022年自宅鑑賞94本目
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