イチロヲ

セルビアン・フィルムのイチロヲのレビュー・感想・評価

セルビアン・フィルム(2010年製作の映画)
4.0
家族を養うためポルノ男優業を続けている青年が、業界の巨大組織が先導するスナッフ・フィルムの撮影計画に加担させられてしまう。倫理性を度外視したプロジェクトに巻き込まれた男優の末路を語っている、エログロ猟奇映画。

家族を支える実直な夫と性行為を見世物にしているポルノ男優。その二面性から生じる「虚実の皮膜」をモチーフにしながら、スナッフ・フィルムの猟奇世界へとドロップしていく過程が描かれていく。

局部が丸映しになっているため、日本のソフトではモザイクだらけになる。産まれたばかりの新生児を強姦したり、バックから突き上げながら首を切断したり、巨根のフェラチオで窒息死させたりなど、手抜かりなしのエログロスプラッターが展開される。

後半部に入ると、ヤク漬けにされた主人公のサイケデリック・トリップに突入。ラストの着地点は予測できてしまうが、現状を打破しようとする主人公のフィジカルな躍動感が素晴らしいため、固唾を呑みながら鑑賞することができる。
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