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走り来る人々のLGのレビュー・感想・評価

走り来る人々(1958年製作の映画)
5.0
超絶大傑作。会話劇中心のメロドラマではあるが計算され尽くされた画面設計の中で長回しを多用しつつ丁寧に見せる人間関係の構築と核心へと迫る瞬間に急激に切られるカットのスリリングさに空間と時間を自在に変容させてしまうミネリの卓越した職人芸っぷりを魅せられる。特にフランク・シナトラとマーサ・ハイヤーのキスシーンはあまりにも凄すぎて失禁するかと思ったし終盤のバッキバキに決まった夜の遊園地での群像交錯劇に至っては感動のあまり大失禁。白痴気味な危うくて誰よりも無垢な存在たるシャーリー・マクレーンにはイラっとする瞬間も多々あったが最後の自己犠牲精神には泣かされ、ディーン・マーティンの存在感は映画の潤滑剤としても華がありとても素晴らしかった。リンクレイターが人生ベストに挙げるのも頷けるし夜の遊園地でのシーンにデ・パルマの“ミッドナイト・クロス”の終盤とかも思い出したりして嬉しかった。
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