超空間コベ

忍びの者 続・霧隠才蔵の超空間コベのレビュー・感想・評価

忍びの者 続・霧隠才蔵(1964年製作の映画)
4.0
大坂の陣を幸村と共に逃れた
才蔵が、家康を討つまで。
決して、『真田幸村の謀略』を
思い浮かべてはならない。(笑)

「秀頼や幸村、実は鹿児島に逃れ
生き延びていた」
という伝説がありますが、それに
あやかったストーリーの様です。

島津氏と共闘して家康を討つには、
種子島の三連式火縄銃を一手に
押さえる事が必要とし、幸村の
命を受けた才蔵は暗躍を開始するが…。


今作は、これまでの様に派手な
合戦シーンが無い代わりに、
忍者戦が見所となっております。☆

前作でも、攻守において威力を
発揮した“霧隠れの術”をはじめ、
水中格闘で華麗なる泳ぎを披露
する雷蔵!

そしてクライマックス、駿府城の
屋根裏で繰り広げられる、
服部半蔵との静かなる激闘!
―――手裏剣!鎖!忍者刀!
おぉ、これぞ忍者映画だッ!!


五右衛門にしろ才蔵にしろ、
雷蔵の演じる主人公は、
忍びらしからぬ“熱い男”として
描かれている。

「影に生き、影に死すのみ」
という忍者の宿命をクールに
達観してはいるが、その一方で
不幸な境遇の女性に無償の
手を差し伸べたり、情に厚い
一面を幾度も見せている。

その最たるものが、仲間や
主を失い、孤立無援となっても…

「―――信長を殺す!」
「―――秀吉を殺す!」
「―――家康を殺す!」

と、石に齧り付く執念を燃やして、
見事これらを成し遂げる所。


しかしまぁ、安直に言っちゃうと
バカですね。☆(笑)

家康は既に75歳の老齢。
もはや徳川の態勢も盤石。
今さら家康を殺したとて、何が
どうなるわけでも無かったりする。

半蔵役は五右衛門編と同じ
伊達三郎が演じている。
今回は最強の敵として、才蔵の
前に立ち塞がるのだが…。

家康からは既に用済みと見限られ、
「まだ居たのか、この馬面めが!」
とシバかれる哀愁キャラへ転落。

もう半蔵と才蔵が戦う理由など
無いに等しいワケですよね。

消えゆく宿命にある忍者が、
己の存在価値を確かなものと
するためには、使命を全うする
以外に道は無いのだろう。☆
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