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女優霊のtntnのレビュー・感想・評価

女優霊(1995年製作の映画)
4.0
映ってしまったものは、映したものである。かつて撮られたであろう謎のフィルム画面が最高に気持ち悪い。
序盤の「女優」のカメラテストの場面からして、フィルムカメラで人を映す行為そのものが持つ不気味さを感じた。「嘘の世界を作り出すことの後ろめたさ」を主人公は途中で吐露するけれど、撮る側と写す側の関係性には気づいていなかったかのかも。
この後に『リング』があるのは凄い納得した。撮影所時代の終わりからビデオテープという映画のメディア的、産業的構造の変換もわかるし、何よりラストで「幽霊」が正面切って現れる展開に進化が見られる。
高橋洋と中田秀夫の映画って、最終的に幽霊の物質性というか肉体性が全面的に展開されるのが面白いし、怖い。『女優霊』の幽霊が暗闇から近寄ってくるだけだったのが、『リング』では呪いのビデオから現実へ次元を跨いで貞子がやってくる。
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