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一人息子のokimeeのレビュー・感想・評価

一人息子(1936年製作の映画)
3.8
小津の初トーキー
オープニングがなんか可愛ええ。

字幕ぅ!だれか字幕を!!
雑音が入っており、かなりレアというかおもしろい。ずっと聞こえているのは、壁掛け時計の秒針だろうか。見ている私のゼンマイ時計も音が重なる。
映像も傷がひどく、飛んでいるところもある。

「勉強してよい」ということが特別な時代。苦労して子どもを勉強させるからには、偉く立派に立身出世してもらいたい。苦労してほしくない。
私の父もなにかとあれば「役職についたか?」と聞いてくる。何度説明してもよく分からないようだ。

イマジナリーラインを軽々と超えてくる。

いつもニコニコしている母・息子・嫁。
終いにゴミ焼き場へ連れていく。
3段に干されたおしめ。
東京がわるいのか。
貧しい諦めの失望息子はしかし、良いお嫁さんをもらい、隣人の人望は厚い人間であった。

「人生の悲劇の 第一幕は 親子となったことにはじまっている」儒教の言葉 --とは、芥川龍之介の言葉らしい。
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