女手ひとつで何とか進学させた一人息子が、東京で貧しい暮らしをしていると知った母の葛藤を描く作品。
小津安二郎監督の初トーキー。
いざ上京した息子は野心も失い、貧しく場末で暮らしていた。
そんな息子の姿を見た母は、自身の思いを涙ながらに語る。
地元信州で立派な教師をしていた大久保先生も、寂れたトンカツ屋を営んでいる。
かなり切々としたストーリーで、コミカルな要素はあまりない。
コミックリリーフ的なキャラクターもいない。
ひりひりとした時代の中で作られたからか、当時の生きづらさや苦しさを強く感じる。