チッコーネ

われらの歪んだ英雄のチッコーネのレビュー・感想・評価

われらの歪んだ英雄(1992年製作の映画)
3.5
ミクロ空間の教室が韓国社会の縮図となる…、という硬派な作品。
民主化から間もない90年代前半の映画で「1~2シーン削っても良かったのでは」と思うほど長いが、撮影や編集は淀みなく洗練されている。

ミンシク先生が若い、そしてスマート。
熱血ソンセンニムぶりが素敵だが、登場するのは最後の30分ぐらいだった。
その代わりと言っては何だが、主人公の『紅顔の美少年』ぶりがすごい。
恐らくコ・ジョンイルという子役だが、その後の俳優活動はなさそう…、そのその代わりに級内で君臨する暴君役ホン・ギョンインは、近年も俳優を続けている様子だ。
ふたりのボーイズラブな主従関係に流れてもおかしくない展開だが、そうはさせじ。
かと言って出てくる女性キャラは一様に図太く通俗的で魅力に乏しいという、複雑な韓国マインドが貫かれている。