Jimmy

深い河のJimmyのレビュー・感想・評価

深い河(1995年製作の映画)
5.0
京橋の国立映画アーカイブにて鑑賞。

未見だった熊井啓監督作品、ようやくスクリーンで鑑賞。
雄大な風景の中、「人はどう或るべきか…」を描いたスケール大きくて、カラー映像が綺麗な傑作!

ロケ地も、インド・フランス・イスラエル・日本…と幅広く、ひたすら眼を見張るばかり…(^_^)
ほとんどが外国ロケで描かれ、出演も秋吉久美子・奥田瑛二・井川比佐志、そして三船敏郎、香川京子など。
今回は「三船敏郎特集」で上映されたが、香川京子の存在感が見事だった。

原作は遠藤周作。
なんと深いテーマ。
人生に空虚な想いを抱き続けている現代女性の「自分探しの旅」を描きながら、登場人物それぞれの人生も丁寧に描いた映画。

成瀬という女性(秋吉久美子)はインドツアーに参加した。成瀬は10年前、自由奔放な学生時代を送りながらも心に空しさを抱えていた。結婚してフランスに住むが、虚しさのためか離婚。そしてインドに何かを求めてやって来たのだった。

成瀬は学生時代にクリスチャンの大津(奥田瑛二)と出会い、誘惑して信仰を捨てさせた。「神とのゲームに勝った」ものの、心の空虚さを埋めることはできず、結局大津を捨てる。そして、いま彼女の乗ったバスは大津のいるベナレスに向け走っている…。

恐らく、こんな壮大で深淵な映画は二度と撮れないであろう。
熊井啓監督の代表作のひとつと言って良いと思う。
Jimmy

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