田宮二郎が再び産業スパイになった「黒シリーズ」第9作。スパイに利用されて会社をクビになった主人公が、当事者である家電メーカーに復讐するというサスペンス。
高度経済成長期下、日本が技術大国への道を突き進んでいた1964年当時、本作で描かれたスパイ戦はこの上なくクールに見えたに違いない。だが、そんな世界最先端のテクノロジー(決してSFではなく)を使った、世界最高峰の情報入手合戦も、今やスマホ1台あれば誰でも簡単にできてしまう。本作のクールさを味わうためには、こうした時代のギャップを補うための脳内変換が必要。