ぼびっと

コラテラルのぼびっとのレビュー・感想・評価

コラテラル(2004年製作の映画)
4.6
自分の独立という夢の為にお金と人脈を蓄えようと腰かけのつもりがいつの間にか足掛け12年も何となく勤めてしまっているタクシードライバーのマックスが、ある夜偶然に載せた男は実は非情な殺し屋で…

達観主義、冷徹なまでに最後まで自分自身の運命までもを現実的に自己完結してしまう殺し屋をトムクルーズが、自分の夢を実現もできずに行動も起こせずに今の暮らしにずるずる身を任せかけている、気のいいドライバーをジェイミー・フォックスがお互い好演しているのに、加え、アクション、展開のテンポ、設定、ちょっとした伏線と、全ての要素がかなりバランスの良い映画です。
最初はただの負け犬にすぎず、この映画のタイトル通りに殺し屋ヴィンセントにただただ巻き込まれていたドライバーのマックスが、1回目のプチ切れ反抗期を経て終盤に見せるブチ切れ解放っぷりの中に、ヴィンセントからマックスが得た、自分への内省とアクションを起こす事の大事さが伝わってきます。逆に、ヴィンセントは自分が孤独である事をマックスを通して突きつけられますが…
最後の台詞に、彼が自分を振り返って結局どう対応したのかが現れていますね。

オススメの一品です。