フジタジュンコ

ハイル・ミュタンテ!/電撃XX作戦のフジタジュンコのレビュー・感想・評価

3.8
俺たちのアレックス・デ・ラ・イグレシア監督の長編デビュー作。当時、若干28歳! これがデビュー作って、もう狂ってるとしか言いようがない。いやまさしく狂ってるんですけども…

なんと舞台は2012年。美しい者たちを憎む醜いテロリスト集団“ミュタンテ”が大富豪の娘を誘拐、富豪たちを虐殺し、別の惑星へ逃げるのだが…とあらすじを書いてみたが、そんなこまけえこたいいんだよ!
時計じかけのオレンジを連想させるような舞台設定と美術、スパイ大作戦とマッド・マックスを足したようなストーリー展開はめちゃくちゃすぎるものの、イグレシア監督の美的センスが長編デビュー作ながらすでにバチバチに披露されており、美しくもキッチュで悪趣味な画の連続が痛快である。ヒロインの口をクギで留めるとか発想がサイコパスすぎる。でもこれがまた美しいんだよな、不思議。
「ビースト 獣の日」主演のイグレシア監督のミューズであるところのアレックス・アングロも登場するのも見どころか。

もう何もかもメチャクチャなんだけど、楽しかった。円盤化してほしい。