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アマチュアのcollinaのレビュー・感想・評価

アマチュア(1979年製作の映画)
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昨日、一昨日とポーランドの作品を連続して見ました。同じ俳優が出ていたり、キェシロフスキを連続して見たりしたため、少々混乱しております。間違っていたら、ご指摘ください…。

会社の金で始めた映画撮影で、ちょっとした賞を取り、美女とのロマンス、勝手な使命感と、調子に乗ったどこまでもアマチュアな映画監督を地で行く、フィリップ。あまりにも可笑しい。怒る妻でさえ、指のフレームにはめてしまうフィリップ。振り返った妻に「なんでもない」と手を隠す。プロなら止めないのかしら…。

レンズの先しか見えなくなり、フィルム1枚の重さしか感じない彼には、何も見えていなかった。被写体の重さなんて何にも感じない。ましてや責任なんて。

優れた「プロ」の映画監督たちは、映さないことで語ることもできるし、フィルムの1コマが1冊の本のような厚さのようにも私たちに感じさせる。もちろん、彼らはフィルムに焼き付くものには責任を負っている。

レンズの先しか見えなかった男は、永遠に入ることはないと思われた自分の姿を捉える。銃口を向けられた自分。フィルムに焼き付くのは、憔悴した自分の姿、自分そのもの。フィルムの1コマはあまりにも重いものだった。それを自分は負えるのか。負えない男は投げ捨てた。

フィルムは回り続ける。彼はかつての自分の居場所を見つめる。彼はアマチュア。
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メモ
・ザヌーシとユルガは御本人。
・オスフは「シンドラーのリスト」でシンドラーと工場設立の際、交渉していたユダヤ人役。
・imdbに上がっているアマチュアのポスターが秀逸。
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