【第35回アカデミー賞 歌曲賞受賞】
『ピンク・パンサー』や『ティファニーで朝食を』などコメディを得意としたブレイク・エドワーズ監督のシリアスドラマ。アカデミー賞では主演男優賞(ジャック・レモン)、主演女優賞(リー・レミック)など5部門にノミネートされ、同名の主題歌が歌曲賞を受賞した。
非常にクオリティの高い作品だった。幸せだった結婚生活が酒によって狂っていく様をリアルに描いている。
ジャック・レモン、リー・レミックの演技が素晴らしい。レモンの達者ぶりに対抗するレミックの演技が実に見事。ラストの表情が印象に残る名演。
一旦やめても酒を飲んでしまえばもう終わり。アルコール中毒の依存度と危険性を身を以て体験させられるような作品だ。
ブレイク・エドワーズ監督の手腕も見事なもの。コメディを得意とする監督とは思えない骨太な演出が素晴らしい。中盤、レモンが大暴れするシーンのカメラ移動やアップの使い方など印象深い。
アカデミー作品賞に輝いた『失われた週末』よりこっちの方が断然いい。とはいえそこまで刺さった訳ではないが、主演二人の演技合戦を見ているだけで観る価値はある。