このレビューはネタバレを含みます
以下、箇条書き
・画像の見せかたにリアリティを感じる。臨場感があり、まるで自分がアルツハイマー当事者になったかのように思えた。恐怖すら覚える。
・仕事人間で家庭を顧みない主人公が、若年性アルツハイマーになる。過去の自分の行いに対する記憶や罪悪感と、現在の自分の状態が混同するシーンが見ごたえあり。演出が凄い。
・失っていくからこそ、思い出の大切さがわかるようになる。
・出来ることが少なくなっていくやるせなさ、大切な人を苦しめてしまう悲しさ等、アルツハイマーについて考えされられる上質な作品に仕上がっている。
・主人公は昔の幸せだった頃の奥さんとの記憶に導かれて陶器のマグカップを仕上げ、残す。
・最後に、奥さんの名前が刻まれたマグカップが映し出される。彼女の中にも、今まで夫と築き上げてきた数々の大切な人生の思い出が心に刻み込まれていることであろう。