似太郎

光のほうへの似太郎のレビュー・感想・評価

光のほうへ(2010年製作の映画)
3.9
救われない悲劇的なムードが全編占めているが、容赦なく現代の抱える深刻な問題(育児放棄)を目を逸らさず真摯に紡ぐ監督の力量は確かにすごい。

ケン・ローチや是枝裕和とは何か決定的に違うスピリチュアル(或いは宗教的な)雰囲気の濃厚なヒューマン・ドラマだと感じた。主演の二人の男性がそこまで善人として誇張(美化)されていないのも良かった。

この手の社会派映画にありがちな声高に主張を叫ぶやり方よりもそっと囁くようなアプローチの方が遥かに重要だと思う。実に見応えのある佳作だった。
似太郎

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