ねこのみかた

光のほうへのねこのみかたのネタバレレビュー・内容・結末

光のほうへ(2010年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

なかなかに重いストーリーだった。

アルコール依存症の母親の生き方を憎んでいたはずの兄弟だったのに、けっきょく同じような道を歩んでしまっていたのが切ない。
こういう環境で育つと、そこから抜け出すのは容易じゃないんだという現実をひしひしと感じた。

二人とも今の状況から抜け出すチャンスはあったのに、それができなかった。
弱いと言ってしまえばそれまでだけど、子どもの頃に抱えてしまった数々の心の傷が、うまく生きられない状況を作り出したのはあきらかだ。

弟はけっきょく立ち直れずに命を絶ってしまったけど、ラスト、兄と甥っ子の未来に少し希望の光が見えたのは幸いだった。

ストーリー自体は興味深い内容なんだけど、いかんせんわりと淡々と展開していくので、途中ちょっとダレてしまった感は否めない。
あと、兄ベースのストーリーから、弟ベースのストーリーへと時間軸を戻りつつ進んでいくので、一瞬つながらなくなってしまったのも残念。
ただ、これは演出的に効果的という評価もあるので、好みの問題かな…。