のんchan

光のほうへののんchanのネタバレレビュー・内容・結末

光のほうへ(2010年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

見始めてすぐ、あら?ケン・ローチに似てる‼️なにか関連性あるかな?などと頭の隅で考えながら見進めて集中して見終わるも...
あ〜つくづく私はこういう作風が好みなんだと納得‼️
デンマークの監督トマス・ヴィンターベア。要チェック📝

そして主役のヤコブ・セーダーグレン✨
当時は38歳かな?ちょっとビビッと来たんですけど、2017、2019そして今年も新作が立て続けてる俳優なのですね💫

はい、またいつもの癖で興奮してると前置き長い、失礼💦


導入部は可愛らしい赤ちゃん👶から始まります。あやしているのはまだ小学校高学年のような2人の兄。ミルクを作って飲ませたり...電話帳から弟の名前を選んでは勝手に決めて可愛がっています。
それはいた仕方なくもあるのです。母親がとんでもないアルコール中毒で育児放棄だから....
ある朝、起きると赤ちゃんが冷たくなっていて...

その後、大人になった2人に画面が切り替わります。前半は兄、後半が弟の今を映し出します。

子供の頃、あの環境で育った2人は心に深い傷を負ったまま、優しい心を持ち合わせているにもかかわらず、悲しいかな愛情の出し方、受け取り方に慣れてない。心の葛藤と戦いながら苦しみながら思うような人生を歩んでいない。
2人はそれぞれとは関わらずに別の土地で暮らしているけれど、兄は暴行事件で服役していたり、酒、暴力が絶えない。弟は麻薬常習者で、妻を事故で亡くし、1人息子と暮らしてはいるものの薬とは縁が切れずに...
 
その後、母親の死で数年ぶりに再会する2人。思いがけず母の遺した財産があった。兄は母親の金は要らないと放棄し、全てを弟に譲ると言う。
弟は喜ぶも、息子と束の間だけ温かい時間を過ごした後、全ての財産で麻薬を購入する。

弟は刑務所で自殺。弟の葬儀で残った1人息子マーティンに兄が言う。
『マーティンと言う名前の由来を後で話してやる』
そして小さな手は伯父の左手をしっかりと握りしめる。(右手は暴力が災って手首から先が切り落とされているから)
ただそこにはひと筋の光が差している✨


暗くて辛くて悲しくて、ずーっとどんより雲の天気のような展開だけど、そこには強いて深い愛情が隠れている。兄弟愛、父子愛。
小さな子供の小さな胸の内。ぎゅーっと抱きしめてあげたくなる。

デンマークだからとかではない、日本だって、どこにでも繋がる話かも知れない。
観終わって、114分の時間の重みを感じた。とても有意義だったと実感出来たし、満足感に浸れる秀作に出会えた事に感謝です🌟
のんchan

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