萌える闘魂

北京の55日の萌える闘魂のレビュー・感想・評価

北京の55日(1963年製作の映画)
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当時25億円以上の制作費が投入された歴史スペクタクル大作。導入部から大オープンセットで再現された北京城の城壁に度肝を抜かされる。レイ監督に取っては「キングオブキングス」に続く歴史物で決して好みの題材とは言えないが、そこは手堅くまとめている点はもっと高く評価されても良いだろう。山師の制作者ブロンストンはこの映画のオープンセットを二次利用して次回作「ローマ帝国の滅亡」に紛れ込ませた。結果「ローマ帝国の滅亡」は戦後の史劇の中で最大級の大オープンセットとなったのである。中国を舞台にした映画では後に「ラストエンペラー」なども有るが、スペクタクルな演出を好みな観客には「北京の55日」の方がお勧めではある。後半に展開する1000人単位のエキストラを投入した活劇部分は娯楽映画としては十分満足出来るものとなっている。残念ながら今これを再現するとなると殆どCGで処理するしか他に方法は無いだろう。なおこの題材は戦前に映画化されており本作はリメイク作品である。女優ガードナーの後期に当たる作品で貫禄を見せている。ヘストンが西部劇風な出で立ちなのも興味深い。