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花と龍 青雲篇 愛憎篇 怒涛篇のSIのレビュー・感想・評価

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2021.4.8
れんが屋にて観賞

妻と子を連れ貧困に喘ぐ主人公は、沖仲仕の親方として仕方なくヤクザになり妻に嫌われ敵組にリンチされる。二十年後、主人公の子供は弱きを助けるべく風俗嬢と駆け落ちし組合をつくろうとするも、仁義に阻まれてしまう。

「花と竜」六度目の映画化。
火野葦平の自伝的内容だとは全く知らなかった。
ならばもう少しリアリズムで描いても良かったか。擦られすぎた原作の仇か。

完璧に構図と役者の動きが計算された、これでもかというローアングルFIX長回し。天才としか言いようがない。
数日に渡って刺青を掘ってもらったあとの、キスシーン四連発。ためにためたエロシーン。
これに代表される見せ場=クライマックスの連続で、全く飽きさせないのは流石。

キャストはオールスター。
渡哲也、倍賞美津子、田宮二郎、石坂浩二、笠智衆…。
石坂浩二のあの賭場での異様な迫力はなんなのか。ぼさぼさの白髪の男がいるだけで、あれほどまでに浮き上がるものか。
香山美子の美しさも際立つ。

見せ場だらけの、良い映画です。
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