Pelo

二匹の流れ星のPeloのネタバレレビュー・内容・結末

二匹の流れ星(1967年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

西部劇のオープニングが浜辺のシーンというのはこの映画だけでしょう。主人公ジャンゴが浜辺で寝ている姿を両足の裏から映すカットがカッコいい!

「綺麗な海だよな」

隣で寝てる男に声をかけると、不自然な方向に首が曲がってる。

「お前に言っても意味ないか」

死体を馬に乗せて、自分の馬を口笛で呼び寄せ走り出すと、教会の鐘の音が鳴り美しく物悲しいトランペットのテーマ曲へ

シビレるね〜
ワクワク感ハンパ無いオープニング!

その直後に砂漠の荒野ですれ違うソンブレロの男。只者ではない雰囲気を漂わせています。このメキシコ人マヌエルを演じたクラウディオ・カマソが強烈。ジャンゴ役のジャンニ・ガルコと見つめ合うシーンの目付きが凄い!

この睨み合い、正直ジャンニ・ガルコが食われています。ジャンニ・ガルコはサルタナですからね。あのサルタナが食われるって、、この人もっとマカロニウエスタンに出てもらいたかったですね。早世してしまったらしいでしね。とても残念。

オープニングだけでもお腹いっぱいに出来る映画ですが内容も濃いんです。マヌエルは自分を騙して刑務所に入れた牧場主の1人娘を強奪します。その娘を奪還してくれとジャンゴに頼みこむ牧場主。

ジャンゴは恋人に賞金稼ぎなんて辞めてサンフランシスコで一緒に暮らしてと頼まれてます。マカロニウエスタンにしては珍しく濃厚なキスシーンというかラブシーンが組み込まれています。

最後の仕事だからとマヌエルを殺しに行くジャンゴ。しかし、まさかの展開。ジャンゴとマヌエルは撃ち合うのでは無く、ガンベルトを外して殴り合います。そして2人で倒れて笑い合うという、、、え〜〜青春ドラマの河原のやつ〜〜

そしてマヌエルから駅馬車金塊強奪計画を一緒にやらないかと誘われ、人殺しをやらないのならという条件で加担します。しかしマヌエルは駅馬車を皆殺しにして金塊を強奪。ジャンゴが現場に行くと駅馬車の中には恋人の死体が、、、

復讐に燃え、マヌエルを追い金塊と娘を奪還したジャンゴですが、なんと助け出してあげた娘に裏切られ土の中に首だけ出されて埋められてしまいます。娘は既にマヌエルに夢中になっていたのです。マジかー

「女には疎いようだな」と見下されながら言われるジャンゴ。地上に首だけ出てる状態にサソリが近づきます。マカロニウエスタン特有の拷問シーン。出川なら噛ませておいて痛い痛いのリアクションをやるところですが、ギリギリの所で助け舟が入ります。

そして最終決着へ。風が吹き荒れ、砂塵が舞う薄暗い状況の中、1人1人殺していくジャンゴ。必殺回転樽撃ちという技も披露します。マヌエルの父フェルナルド・サンチョが戦いに行きますが、お腹に十二発くらい浴びて絶命。六連発銃なんですが十二発出た模様。

そしてマヌエルが出て行き、悲しみながら死んだ父親の顔や身体を撫でまわし、隙を見て父の銃を抜き、何発か撃ちますが弾切れです。

「その銃は弾がズレるって忠告した筈だ」ジャンゴは言います。でもあの時マヌエルは居なかったと思うが、、、父親には忠告していたが、、、

容赦なくマヌエルに撃ち込むジャンゴ。もうやめて〜〜と泣きながらマヌエルに駆けつける娘。瀕死のマヌエルは娘に言います「生き急いじまったようだな、、、」そして絶命。教会の鐘がまた鳴り響きます。口笛で自分の馬を呼び寄せるジャンゴ。馬に跨って去って行きます。

良い映画ですね〜
これぞマカロニという作品でもあり、それにプラスして恋愛、友情、親子愛なども盛り込まれています。

ジャンゴにもマヌエルにも感情移入出来るというのも凄いですね。お腹いっぱいのマカロニウエスタンです。
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