ゴン吉

DEATH NOTE デスノート the Last nameのゴン吉のレビュー・感想・評価

4.1
サスペンススリラー「DEATH NOTE」の実写劇場版の続編。
原作は大場つぐみのコミックで、監督は「平成ガメラ三部作」でもメガホンを取った金子修介。
藤原竜也が主演、戸田恵梨香がヒロインを演じ、松山ケンイチ、上原さくら、片瀬那奈、鹿賀丈史らが共演。 

警視庁の刑事部長を父に持つ夜神月(ライト)(藤原竜也)は、自身も将来は警視庁を目指す正義感溢れる大学生。
ある雨の夜に一冊のノート”DEATH NOTE”を拾う。
そのノートに名前と死因を書き込むと、実際にその通りに人間が死ぬ。
ライトは正体を隠してこのノートを使い、凶悪犯罪者たちを次々と殺し、やがて世間からキラと呼ばれる救世主として崇拝されるようになる。
ある晩、人気アイドルの弥海砂(戸田恵梨香)が暴漢に襲われるが、死神に助けられ、彼女もDEATH NOTEを手に入れる。
弥海砂はキラに共感し、ライトに協力する…

藤原竜也、松山ケンイチ、戸田恵梨香が個性的な登場人物を好演しており、作品の世界観に引き込まれる。
法の盲点をついて無罪となった凶悪犯罪者をキラが抹殺していく。
その結果、犯罪率が著しく減少し、世間ではキラの法に依らない行為に賛否両論がわく中で、警察はキラの法を無視した殺人行為を全面否定し、キラの逮捕に全力をあげる。
警察は法の順守を訴える一方で、逮捕のためには手段を択ばず、報道の自由を不当妨害したり、不当監禁・拷問、盗聴・盗撮はもとより、殺されることがわかっていながら囚人を囮に使い人の命さえも奪っていく。
さらには警察は事件解決後も真実を公表することなく、都合のよい虚実をでっちあげて事件の幕を閉じる。
警察の自分本位の歪んだ正義と暴挙をもさりげなく描いているのが秀逸です。
本当に恐ろしいのは凶悪犯なのか、カルト集団なのか、それとも警察なのかを投げかけ、法の限界と正義のあり方を問いかけた衝撃作で、結末がTVアニメ版と全く異なるのも興味深い。
果たしてライトは理想の世界を作ることができるのか?
またライトの運命は如何に?
そして法の順守を掲げながらも犯人逮捕のためには手段を選ばぬ警察の暴走はどこまで許されるのか?
「誕生日おめでとう あたし何か大切なこと忘れてる.....」 

2023.4 BS12(日曜アニメ劇場)
ゴン吉

ゴン吉