せいか

永遠のこどもたちのせいかのレビュー・感想・評価

永遠のこどもたち(2007年製作の映画)
5.0
投下する予定だった感想雑記メモが長大になりすぎたため、省く。ここではざっっっくりとだけ書き殴っておく。

本作はかなり好きな作品で、何度も観ている。
デルトロ氏も関わっている作品で、彼を中心に考えてはいけないだろうが、彼の関係作品の好きな方面にかなり寄っている本作はそういう意味でも好きである。


本作は孤児院を舞台としており、過去と現在が因果によって繋がる。作中でも語られることだが、因果は傷となって残り、存在を認知され慰められることを欲する。そしてその繋ぎ手となるのが息子であり、何よりも主人公その人なのである。

主人公夫婦と息子の間に横たわる絆や愛情はたぶんかなり一般的なものなのだが、彼らのその分断は目に付くように丁寧に描かれている。そしてそのもどかしさがひたすらに悲劇のほうへと(そしてある種のハッピーエンドのほうへと)物語を前進させてしまう。

本作は、聖アントニウスをモチーフとして取り入れているように、欲望(=自分の望み)との戦いを描き、そしてそれに屈する人々を描いたものだ。そして主人公たちにとってはそれは悲劇と共に優しい夢の形をとることになる。大人になったウェンディもネバーランドにまて訪れられるという夢を。
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