1人の人間の自由や尊厳が、誰かの利益や名ばかりの伝統を守るために侵されていくのは見るに耐えない。
だけど、白黒の映画の世界から離れ、すぐそばに目をやれば、60年以上経った今でも同じことは起きているし、そんな社会を変えようと立ち上がった人の声を押し潰す世間の圧も存在する。
舞妓という職につきながら、自分の人生を好きに生きることさえ難しい社会の中で、しゃんと真っ直ぐに生きようとしている2人の姿には心打たれた。ラストシーンがずっと頭に残ってる。
ふとした時に感じる生きにくさは、個人の資質のせいなんじゃなくて、社会の構造のせいなんだと、こういう映画を見るたびに強く実感する。