うにたべたい

超新星フラッシュマンのうにたべたいのレビュー・感想・評価

超新星フラッシュマン(1986年製作の映画)
3.3
超新星フラッシュマンの劇場版作品。
超新星フラッシュマンはゴレンジャーからカウントした場合、スーパー戦隊シリーズ10作目となる作品です。

敵は改造実験帝国メス。
宇宙を渡り歩いて生命の住む星に目をつけ、そこに生きる生命体に生体実験を繰り返して破壊してきた悪魔の帝国です。
その帝国が、生命エネルギーに溢れる地球に目をつけるが、それに対抗するため地球に降り立った戦士こそ、5人の若き青年たち・フラッシュマンですね。
敵の規模だけを観ると、前作、チェンジマンの大星団ゴズマよりもスケールダウンしているように感じます。
これは、様々な事情を抱える敵幹部ではなく、今回はヒーロー側、フラッシュマンの5人にスポットを当てるためです。
フラッシュマンの5人は、幼い頃にメスにさらわれ、地球から遠く離れたフラッシュ星系で育ったという経緯があり、地球生まれだが地球の文化も両親も知らない5人のドラマが描かれます。

劇場版フラッシュマンが、東映まんがまつりで上映されたのは、まだテレビシリーズ3話目くらいの頃です。
テレビ放映版も序盤、ストーリーが動き出す前で、本劇場版も事件発生し怪人登場、撃破、巨大化、ロボットに乗り込み倒すという、スーパー戦隊のフォーマットに沿った内容となっています。
上映時間もテレビ放映版と同じ20分程度で、フラッシュマンはOPで簡単に状況説明が入るので、本編未視聴でも楽しめると思います。

メスは今回、地球上の様々な生き物を攫い、その長所を組み合わせて最強の獣戦士、ザ・ガラゴスを作り出します。
その力に圧倒されるフラッシュマンだが、そこに割り込んできた子犬を見たザ・ガラゴスは怯えて混乱しだします。
子犬は近くのこども動物園から逃げ出してきており、どうやらザ・ガラゴスには、その子犬の親の遺伝子が使われていることがわかる、という展開です。
生命を改造して獣戦士を作り出すことは当初からの設定ですが、その元となった個体の生きていた頃が語られるという、割と生々しいストーリーですね。
こども動物園からは、子どもたちが育てた他の生き物も攫われいるのですが、改造され、生命を弄ばれた動物たちは戻ってくることは無いという、思えばひどい話です。
ただ、そのあたりは深堀りはなく、20分尺なので、テンポよく撃破、巨大化、フラッシュロボ搭乗となります。
劇場版らしくアクションシーンも豊富なのですが、キーとなる子犬を抱えたまま崖を登ったり、ワイヤーアクションしたりするため、子犬が落ちそうでハラハラです。
ロボットに不安定に抱えられ、足がびよーんと伸びる子犬が不憫だけど、かわいらしくて笑えました。

メスの残虐性やフラッシュマンのかっこよさが堪能できる劇場版です。
フラッシュマンを初めて見る場合、劇場版から入るのも良いかと思います。