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カジュアリティーズのkazu1961のレビュー・感想・評価

カジュアリティーズ(1989年製作の映画)
3.8
▪️Title : 「カジュアリティーズ」
Original Title :「Casualties of War」
▪️First Release Year:1989
▪️JP Release Date :1990/02/10
▪️Production Country: アメリカ
🏆Main Awards :※※※
▪️Appreciation Record :2020-461 再鑑賞
🕰Running Time:114分
▪️My Review
〜エンニオ・モリコーネを偲んで④〜
ブライアン・デ・パルマ×マイケル・J・フォックス×ショーン・ペン×エンニオ・モリコーネ、この最高メンバーで興行的にも評価的にも散々だった作品です。1987年の『アンタッチャブル』によって念願の大ヒットを飛ばしたデ・パルマ監督が、自身初となる戦争映画へと挑戦した意欲作だったんですけどね。
本作、ベトナム戦争を舞台に、現地の少女を誘拐、強姦、殺害した仲間を告発しようとする陸軍兵士の孤独な闘いを描いた戦争ドラマです。ベトナム戦争中の1969年に「ニューヨーカー」誌に掲載された実話を基にしました。この記事は1970年に一度西ドイツ映画(ミヒャエル・ヘルホーファンの『O.K.』)として製作されており、エリア・カザン監督の『突然の訪問者』もこの記事に影響を受けているといわれています。
不評を買ったのは、デ・パルマ監督が、本来得意なサスペンスやケレン味のある演出ではなく、実話をモラルを持って描いたことが嫌われたのかも知れません。
しかしながら再鑑賞していくと、本作では実話をもとに真剣に戦争というものと向き合おうとしているのが、観れば観るほど伝わってきます。だからこそリアルを感じる作品に仕上がっているんですね。そう、戦争というものが 相手の人間を殺してしまうだけではなく、兵士自身の人格までをも壊してしまうという点に鋭く踏み込んで本質を描いています。そしてその痛みや切なさそして人間の恐ろしさを、モリコーネのスコアが見事に奏でています。
そして、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズなどの出演で、コメディ派俳優として知られているマイケル・J・フォックスが、倫理観を付き通し、正義のために上官や同僚を告訴する兵士をシリアスに演じています。人格が壊れていく上官を演じたショーン・ペンの演技も素晴らしいです。さらにジョン・C・ライリーやジョン・レグイザモ、ヴィング・レイムスなど、のちに活躍する実力派俳優も出演しています。
クライマックスの戦闘シーンは『戦場にかける橋』で有名なクウェー川鉄橋で撮影されたんですね。

物語は。。。
1966年、ベトナム。ミザーブ軍曹の率いる分隊は、偵察任務の途中で少女を誘拐し凌辱した上に殺してしまいます。ただ一人少女を犯すことを拒んだエリクソンは、隊から孤立。彼は事件を上層部に報告するが、不祥事が明るみに出ることを嫌った上官に、左遷されてしまいます。。。

▪️Overview
1966年、ベトナム。アメリカ兵エリクソンの所属する小隊は敵地の偵察任務に就く。そんな中、上官のミザーブ軍曹を筆頭とする4人の兵士が現地の娘を誘拐し、レイプしたあげく射殺するという暴挙に走る。彼女を救うことができなかったエリクソンはその件を軍上層部に報告するが、それが原因でミザーブらから命を狙われることに……。上官たちの犯罪に苦悩しながらも、やがて告発へと至る若き兵士、その孤独な戦いと葛藤を実話に基づいて描く。(引用:映画. com)

監督、ブライアン・デ・パルマ。
音楽、エンニオ・モリコーネ。
出演、マイケル・J・フォックス、ショーン・ペン、ジョン・C・ライリーやジョン・レグイザモ、ヴィング・レイムス。
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