チッコーネ

公共の敵のチッコーネのレビュー・感想・評価

公共の敵(2002年製作の映画)
3.7
後年に繋がる韓国サスペンスのエポック・メイキング作品は『殺人の追憶』かなぁと思っていたのだが、その1年前に本作があったことに驚かされる。
監督作は史実ベースの『シルミド』しか観ておらず、イム・グウォンテクあたりの旧世代に近い作風という印象だったのだが…。
「エリートだが異常性格の犯人に、叩き上げの雑草刑事が食らいつく」という、韓国映画で幾度となく繰り返されていくパターンがすでに完成されており、古臭さは全く感じさせない。

大胆に捜査を攪乱する犯人逮捕のため、決定的証拠を掴む過程は飛ばし気味で強引、だが怒涛の勢いで押し切る。
またサブキャラを演じた役者陣の魅力を最大限に引き出すコメディ場面は大笑いの連続…、特にユ・ヘジンとカン・シニルは、実力を如何なく発揮していた。
ソル・ギョングは本作制作当時ガチムチ体型で、現在の腺病質な雰囲気がない。
冒頭の「泣き」演技は驚くほど計算高く、しかも自然で魅力に溢れている。