ジャイロ

バグダッドの盗賊のジャイロのレビュー・感想・評価

バグダッドの盗賊(1924年製作の映画)
4.0
今の人々は昔の人々に起きた

さまざまな出来事を知って

教訓となすべきである

「千夜一夜物語」序文


この三連休にウィルスミスの『アラジン』を借りようとしたんですが、全部貸し出し中だったのでこれにしました。多分同じ話だよね。そうだよね。

巨大なツボ、バグダッドの門、とにかく巨大なそのセットが素晴らしいね。1924年、当時200万ドルもかけたという制作費。1940年の『バグダッドの盗賊』よりも壮大でした(当社比)。

バグダッドの盗賊は、腹筋割れててすごい体つきだしその動き、ましらのごとし。体操選手並みの身体能力のダグラス・フェアバンクス、きっと並々ならぬ努力をしてきたに違いない。目につくもの全て何でも盗めちゃう。でもそんな腹筋も虚しく、大盗賊はついに囚われてしまいます。

「ええい!犬め!どうしてくれよう」

「ゴリラに与えて八つ裂きにせよ!!!」

ゴリラではなく明らかにチンパンジーが出てきますが、その背丈は人間と同じ。チンパンジーはもともと猛獣です。筋骨隆々の肉体に宿る怪力は想像しただけで身がすくむ思いです。めちゃくちゃ怖い…

((((;゚;Д;゚)))ヒエエエエエエ…

ただの盗賊ならこうはいかなかったでしょう。姫を前にして心が揺らぎます。くっ…盗賊のロマンスでこんなにせつなくなるとは…

インドの王とペルシャの王子と大モンゴルの大皇帝、あと盗賊の王子。王女の愛を手にするのはいったい誰なのか(知ってるけど)

それぞれが秘宝を求めて旅に出たり出なかったりして、物語は中盤から俄然面白くなってくるのです。

炎の谷、恐竜の洞窟と、大冒険が始まります。

炎の谷というかスーパーマリオかな?

恐竜というか円谷プロかな?

巨大ネズミも空を飛ぶのかな?

ああ、天馬がひどい…

もうちょっとこう、あるよね

海の底から雲の上まで、冒険ファンタジーがすごい。モンゴル王が暗躍する中、それぞれが秘宝を買ったり見つけたりして、ついに約束の月がのぼります。

ハリー・ポッターの死の秘宝みたいな秘宝の数々にワクワクしました。お約束の空飛ぶじゅうたんも千里眼も出てきますが、ランプの精は…そうか、あれか、あれがそうなんですね多分。

魔法のアイテムがいっぱい出てくるし、胸躍る千夜一夜の冒険の数々は、およそ100年も前の映画とは思えないほどの楽しさでした。