あき

ザ・グレイ 凍える太陽のあきのレビュー・感想・評価

ザ・グレイ 凍える太陽(2012年製作の映画)
3.5
地上波放送録画にて視聴。
久しぶりに救いのない映画を観た。
本作品はじめ運命を嘆く時に”神”に助けを求めたり問いかける場面が多いけど、そもそも”神”なんてものは存在しない。
”幽霊”が存在しないのと同じように。
幽霊の場合、パレイドリア現象はじめすでに科学的に95%以上幻覚や思い込みであることが証明されている。
すると残りの5%で存在を主張する人もいるけど、その5%は現在証明しきれていないだけでいずれ時間の問題でしかない。
”神”の存在も同じ。
遠藤周作『沈黙』(1966)でも、”なぜ神は沈黙を貫くのか”と嘆くが、神は沈黙を貫いているのではない。そもそも存在しないからリアクションもなにもないのだ。
だから”運命”なんて言葉もある意味人智を超えたものの存在を暗に認めた依存した考え方であって、運命なんてものも存在しない。
ぼくたちの身に起こることは偶然か自分のそれまでの行動が種を撒いた因果応報の必然でしかないのだ。
その意味でこの映画の救いのなさも、その環境下ではその結末はある意味起こるべくした必然でしかないと言えるのかも知れない。
あき

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