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PLANET OF THE APES 猿の惑星のYYamadaのレビュー・感想・評価

PLANET OF THE APES 猿の惑星(2001年製作の映画)
2.8
オリジナルを凌駕する作品は!?
【リメイク映画のススメ】最終回

◆本作 (リメイク作品)
PLANET OF THE APES/猿の惑星 (2001)
・製作国: 🇺🇸アメリカ
・出演者: マーク・ウォールバーグ
・監督: ティム・バートン
・製作費: $100,000,000
・興行収入: $362,211,740

◆オリジナル作品 (リメイク元)
猿の惑星 (1968)
・製作国: 🇺🇸アメリカ
・出演: チャールトン・ヘストン
・監督: フランクリン・J・シャフナー
・製作費: $5,800,000
・興行収入: $32,589,624 (北米のみ)

〈リメイク作品のポイント〉
・進化した特殊視覚効果
・気鋭の監督による前衛的な演出
 
〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・2029年。ある惑星に不時着した宇宙飛行士のレオ(マーク・ウォールバーグ)。
・熱く燃え上がったポッドからどうにか脱出した彼を待っていたのは、逃げまどう人間たちと、その人間を捕獲しようとする猿たちの姿だった。この惑星は知性を持った猿が支配する「猿の惑星」だった…。

〈見処〉
①SF不朽の名作、鬼才T.バートンが
 リ・イマジネーション!
・『PLANET OF THE APES/猿の惑星』は、2001年に製作されたSF映画。
・本作は、1968年公開のSF映画の金字塔『猿の惑星』を「猿による人間支配の設定以外は異なるストーリー」にて描かれた「リ・イマジネーション」(再創造)作品。
(監督のティム・バートンは、リメイクではないと自己評価)
・1968年のオリジナル作品の主演、チャールトン・ヘストンとリンダ・ハリソンがカメオ出演も、第22回ゴールデンラズベリー賞では、最低リメイク賞・最低助演男優賞開始(チャールトン・ヘストン)・最低助演女優賞(エステラ・ウォーレン)を受賞と憂しき目にあった「猿の惑星」黒歴史作品。

②リメイクまでの道のり
・20世紀フォックス中興の作品『猿の惑星』のリメイク企画は、もうひとつのヒットシリーズ『スター・ウォーズ』製作停止中の1988年から検討開始。「『最後の猿の惑星』の続編ではなく、第1作の続編とすること」のコンセプトに対し、当時新鋭ピーター・ジャクソンとフラン・ウォルシュが一時脚本化に加わった。
・1994年、オリバー・ストーンの監督、エグゼクティブ・プロデューサー、共同脚本の参加、アーノルド・シュワルツェネッガーのロビンソン役での起用が決まる。
・その後、他の映画製作に専念するためストーンが降板すると、(『ハリー・ポッター』製作前の)クリス・コロンバスが監督に就任したものの、1995年後半にコロンバスも辞任。
・シュワルツェネッガー主演となる本作の監督候補はその後、ローランド・エメリッヒ、ジェームズ・キャメロン、マイケル・ベイらに打診も成約出来ず、肝腎のシュワルツェネッガーも『イレイザー』(1996)を優先するため降板。最終的に本作を手掛けることになったティム・バートンの監督起用は、リメイク企画開始から12年が経過していた2000年2月。製作費は当初想定の半額となる100万ドルと規模削減となっていた。

③結び…本作の見処は?
ひょっとして、ティム・バートン、ワースト作品かも?
○: ラストシーンによる解釈はオリジナルと異なり、類猿人がなぜ隆盛を迎えることになった出来事を描いている。
▲: オリジナル作品から30年以上経過しているにも関わらず、類猿人のメーキャップ技術は、さしての進歩は見られない。
×: 『猿の惑星』の醍醐味は映画史に残る「どんでん返し」オチにあり、人類と猿の攻防ではない。(本作もオチありですが)

〈リメイク作品の判定〉オリジナル ○
演出    : オリジナル ○
配役    : オリジナル ○
特殊効果  : リメイク○
ストーリー : オリジナル ○

端からオリジナル超えが難しい作品であり、また、ティム・バートンの信条「異形の愛」も見えない。なぜ、リメイクしてしまったか疑念の一作ながら、こんな作品でも、しっかり興行収入は堅調である。

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〈リメイク作品の総評〉
・以上、4週かけてリメイク映画26作を鑑賞。作品選定にあたっては、フォロワーHariganeさんのレビューを参考にさせていただきました。ありがとうございます。
・上記と過去鑑賞済の47作品のなかから、特にオススメ作品をピックアップします。格付けランクにあたっては、オリジナル作品未鑑賞のものもあるため「純粋に面白い」レビュースコア基準としました。

【S】オリジナルを上回る傑作
・ヒート (1995)
・オーシャンズ11 (2001)

【A+】単一作品として名作
・マグニフィセント・セブン (2016)
・ヘアスプレー (2007)
・ドラゴン・タトゥーの女 (2011)

【A】見るべき良作
・3時10分、決断のとき (2008)
・Shall We Dance? (2004)
・ディパーテッド (2006)
・スカーフェイス (1983)
・アリー/ スター誕生 (2018)

【A-】意外に良かった佳作
・フットルース 夢に向かって (2011)
・消されたヘッドライン (2009)
・チャーリーズ・エンジェル (2019)

【F】見てはいけない劇薬作品
・ファンタスティック・フォー (2015)
・ザ・マミー/呪われた砂漠の王女 (2017)
・PLANET OF THE APES/猿の惑星 (2001)
・GODZILLA (1998)

〈リメイク作品の結論〉
・オリジナルを凌駕する作品は少ない。
・オリジナルを超えない作品であっても、並の作品より面白い。
・リブートによるシリーズ再構想系は、爆死リスクが高い(上記【Fランク】)

以上「リメイク映画のススメ」
~一時完走
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