ウルガのmareのレビュー・感想・評価

内モンゴル人とロシア人、大自然と都市部の差異、淡々と生活を描きながらも静かに異文化とのコミュニケーションを見つめている。ストーリーとしてかなりシンプルなものだが、前編後編のコントラストがかなり効いた作風で、あたり一面緑色の優美なモンゴルの景色と都市部の喧騒を未知なる文化的な視点で描いたギャップのある人間ドラマが展開される。特に草原でチンギス・ハーン率いる軍勢が現れ、自然のど真ん中でテレビに映像が流れるアイデアは面白い。ロシア映画といえば映像美に目が行くが、タルコフスキーをはじめとした水を基調とした映像美とはまた違った、雄大な緑を押し出した映像美はモンゴルという土地の偉大さを思い知らされる。