ドラマシリーズものを単独で観てみましたが、この作品は、あまり私とは合わなかったようです。
この作品には、大きく分けて、推理物という側面と、家族愛や人間の強さ・弱さという想いの側面、あとは、ドラマシリーズものの映画版という側面があるように思えますが、どれも結果だけを見せられているように感じました。
推理物としては、意外性や犯行の緻密性等を魅せるのが難しい犯罪ではあると思いますが、種明かしの内容があまりにも唐突で、推理が出来るようなヒントがほぼ無いように思えました。
ドラマシリーズの映画版という面では、どのキャラクターもあまり魅力的にみえず、犯罪の解決と同時に変化がみられるべき、主人公の父親への想いについても、強い描写はされないまま終わってしまって、本編と主人公の成長的な物語が全く別物として描かれているように見えてしまいました。
そして、この作品で一番に語られるべき想いの部分は、確かに語られているのですが、以前仲が良かったであろう時期の描写があまりにも少ないため、被害者の息子の感情の変化にも説得力がないように思えてしまいます。
被害者は死の前の行動でメッセージを残そうとしていた物語なのですが、この映画自身は一番、何を強くメッセージとして残したかったのかがぼんやりしてしまっているように思えます。
