みんと

青の恐怖のみんとのレビュー・感想・評価

青の恐怖(1946年製作の映画)
3.9
犯人探しの医療ミステリー。
『白い巨塔』とか『チーム・バチスタ』的展開をついつい想像させられる序盤、中盤。まさか?小ぢんまりした総回診でも始まるかと思ってしまった。笑

タイトルにある“青”が何故なのか?ずっと頭の中に引っかかって居たけれど、なるほど!ネタバレ的配慮なのかなぁと個人的には理解した。(原題だとバレバレだけど)

医療事故なのか?殺人事件なのか?ひとりの郵便配達員が死んだ事から容疑がかかった医師と看護師達…

観る側を惑わすアレコレはこのタイプのミステリーの醍醐味。みんなが怪しく見えてしまう。ただ、同じようなルックスの美人二人の識別困難の罠にかかったのは私だけかな?
更に絶妙に絡む医師と看護師の愛憎劇に至ってはいつの時代にも存在するんだなあ…と“医師”の肩書きから伺える無言の圧力めいたものすら感じる。

いよいよ刑事登場は、その抜け感から肩の力は抜けるものの2人目の殺人からは、より一層目が離せなくなる。秀逸な陰影演出で見せる恐怖は素晴らしかった。

時代背景然り、いろんな要素を緻密に絡めつつ、刑事キャラも際立たせた、正統派ミステリーとして完成度の高い作品だと思う。
みんと

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